俳優スクールに入るメリットは?逆にデメリットはある?

俳優スクールに入るメリットは?逆にデメリットはある?

何事にもメリット・デメリットは存在します。ただし100%良いという訳には行かなくても、それらを全く知らないで事を進めるよりは、知った上で備え、慎重に事を進めた方が、失敗する確率が少ないのは火を見るよりも明らかだと思います。俳優スクールにおいても、それは例外ではないので入学前に知っておいた方が良いと思う事をまとめました。自分に適した進路を探す何かのヒントになれば良いと考えます。

俳優スクールのメリットとは何か

一番のメリットは、何と言ってもプロの指導を受けられるという点でしょう。講師は俳優や監督、演出家が多く、プロの基礎を習得している上に経験豊富な指導力に優れた人達です。そういった人達に教われるという事は、コンスタントに活躍できるスキルを学べるという事でもあります。

例えばコンテストに入賞し脚光を浴びた新人が、一瞬話題になった後、姿を見かけなくなってしまうという事が多々ある芸能界です。他方、今、名脇役と呼ばれ長い年月活躍を続けている人達は、大体が若い頃からの積み重ねで、確かな基礎力や高い演技力と技能を蓄えてきた人々であります。加えて彼らは、その抜群の個性で「個性派俳優」という尊称をも得ています。

つまり極端に言えば、前者は容姿優先だった例で後者は中身優先の例という事になります。俳優スクールでは後者の如く、中身を磨くチャンスがあるという事です。

次に、そうした業界とつながりのある講師達に教わる事で、自分にもつながりができるチャンスがあるという事でもあります。ここで強いつながりを持っておければ、卒業後の仕事につながる可能性もでてくるという訳です。また、俳優、監督、演出家ならば映画やドラマのスタッフともつながりがある事が多いので、更にチャンスは広がります。

チャンスという意味では、劇団や芸能プロダクション運営のスクールなら、実力や才能が認められれば所属の俳優になれる事もあります。もちろん、そういったチャンスをものに出来るのはほんの一握りですが、そのほんの一握りに入れるチャンスは確実に、そして平等にある訳です。所属になれば、強力なバックアップも期待できるでしょう。

そして入学すれば同期生がいるので、同期との切磋琢磨が励みになる事も大きな利点でしょう。お互いがライバルで仲間という関係は、どこででも手に入れられる環境ではないので、励みと共に刺激にもなり、また情報交換などアンテナを広げられる事にもつながります。

このように入学する事で様々なメリットはあるのですが、もし入学してしまってから、選択したものが「ちょっと違うな」と感じた時には、進路変更できる所もあるようです。強固たる意志で入学する人ばかりではありませんので、多少迷いがあるようなら事前に変更可能なスクールをチェックしておいたら良いと思います。メリットは、可能な限り利用する事が肝心です。

デメリットはどのような事か

俳優スクールで一番のデメリットは、まとまった費用が必要という事でしょう。決して安くない金額なので、未成年者は親御さんに頼るしかないでしょうし、すでに働いている人にとっても負担は小さくありません。これが最大のネックと言える所でしょう。

特に専門学校は養成所と比べても高額であり、更に拘束時間が長いのでアルバイトも長時間はできない状況だと思います。ただ、短大や大学に進んでも条件は同じか、それよりも更に高額で長期に渡り授業料が発生しますので負担額はより大きくなります。ですから追いたい夢や希望があるのであれば親御さんとジックリ相談する事をお勧めします。

一方、養成所は拘束時間は短めでアルバイトや仕事と両立する事は可能ですが、その分レッスン時間も短くなります。その為、学校で基礎からみっちりと教えてもらうよりは実践的なレッスンが多いようです。そうなれば努力の仕方で個人差がハッキリと現れてしまいます。つまり専門学校よりは、より厳しい環境下で競い合わなくてはなりません。

そうした事も念頭におき、更に費用面への配慮もしつつ、自分に合った所を選択する事が非常に大切となるでしょう。

そして、ここからはデメリットというよりも注意事項ですが…

中には学費以外にドンドン出費がかさむ俳優スクールが存在し、内訳として、事務所関連の舞台やイベントのチケットを購入させられたり、特別ワークショップという名称の催しに参加費用を追加徴収されたり、中でもひどいのはオーディション用の写真撮影として何万円という高額費用を求められたりという事が実際にあったそうです。このようなスクールには充分注意して下さい。

極論で言えばスクールも商売です。しかし、明らかに学生を食い物にしているような所にいても先はありません。これから探そうと考えている方には、間違いのない安心して勉強できるスクールを、是非とも見つけて頂きたいと思います。

生かすも殺すも自分次第

メリットの章で話しましたようにチャンスは必ずあるのですが、その巡って来たチャンスを逃がさないためには日々着実に実力をつけ、チャンスが来た時に選ばれる存在に自分自身を仕上げておかなければなりません。その仕上げるとは、完璧に技術を身に付けるという意味ではなく、発展途上でありながらもその姿勢に共感が得られるような魅力ある人間性を磨くという感覚でしょうか。あとは対応力も大事だと言います。

そして、常に比較対象とされる同期の中で、誰よりも輝いていないとチャンスは物にできません。もちろん競争相手は同期だけではないでしょうし、選ばれない事も多々あるのが芸能の世界でしょう。CMでもドラマでも見ない日はないという今を時めく若手の女優さん2人も、200回以上のオーディションに落ちていたと聞きます。ただ、彼女達には諦めない信念と自信があったという事でしょう。これは非常に大切な事だと思います。諦めれば、そこで終わっていた訳ですから。

つまり、俳優スクールに入っただけで「何とかなる」は絶対にないという事です。自分でチャンスを勝ち取る努力はもちろんの事、絶対ものにするという心意気や熱意、更に諦めないという強いメンタルを持たずして、入学しただけではどうにもならないのが芸能世界です。

ただ、入学できたという事はそのスタートラインに立てたという事であり、そこですでにチャンスの1つは手にしたという事ではないでしょうか。そこからのチャンスを是非ともその手で掴んで行って欲しいと思います。

まとめ

個性派俳優達の苦労話を聞いた事がありましたが、皆さんそれぞれに大変な道を歩んで来られ、その上で今があるのだと感心した覚えがあります。

中々目が出ずに奥様に頼って生活をしていた方もいれば、割合に早く結構な大役に恵まれたは良いが、その後に消えそうになってしまい、もがきにもがいたという方もいました。しかし現在は名脇役と言われながらも、主役級の役どころを務めている方ばかりです。今やCMでも毎日、お目にかかります。

入学した時がスタートラインだと書きましたが、スタートラインは1つではなく俳優人生の中で2つも3つもあるようです。是非とも、それを忘れずに最初のスタートラインから走り出して欲しいと思います。